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海水魚飼育における雑談9



10.魚の突然死



朝,仕事に行く前には元気に泳いで餌を食べていた魚が,夜帰宅してふと見ると水槽の底で息絶えていた,という経験をお持ちの方もいると思います。無論,水質や水温には異状なく,病気などの兆候も見られなかった。特に他の魚に追い回されていた様子も無い。

それこそ急性のショック症状でも起こしたのか,体をピンと伸ばし鰭を立て,特に外傷も見られない比較的綺麗な遺体状況で,他の魚は皆ぴんぴんしている。なぜ死んでしまったのだろう,といくら原因を考えても明確な答えを得ることができない。


私の経験では,ヤッコの仲間では見たことが殆ど無いのですが,チョウチョウウオの仲間では数回,ベラの仲間ではそれなりの回数で起こりました。特にホンソメワケベラで複数回経験しているのですが,私も未だに原因が分からず悩んでしまいます。

原因として幾つかの仮説を考えていますが,どれも実証する術がないため確かめようがありません。それでもあえて述べますと,次のような事となります。

1.飼育者が把握していないだけで,死亡した魚が自分より大きい又は強い同居魚からプレッシャーを受けストレスを蓄積させており,何らかの切掛けでパニックとなり突進して水槽面等に衝突した。

2.死亡した魚は別にプレッシャー等を受けておらず,ストレス等もそれ程蓄積させていなかったが,他の魚により発生した突発的なパニック状態に巻き込まれて自身も恐慌状態となり突進し,水槽面等に衝突した。

私自身はあまり飼ったことがありませんが,何人かの方にも伺った結果,ツノダシは1.が原因である死亡事故(あえて事故と書きます)を起こしやすいと感じています。またベラの仲間やチョウチョウウオの仲間は,他の魚が何かに驚いて急な動きをすると,それに釣られて物凄い勢いで離脱しようとすることがあり,2.が原因の死亡事故を起こすのではないか,と考えています。


ただし,このような突発的死亡事故は水槽が大きければ(例えば横幅2m以上で奥行も1m以上あれば),起きる頻度はかなり少なくなるのではないか,とも考えています。家のメイン水槽は横幅120cmですが,12〜15cm以上のヤッコやチョウチョウウオが何かの拍子に全力で泳げば,僅か1〜2秒で端から端まで移動できてしまいます。

普通であれば,魚達も飼育環境に慣れていますから,きちんと壁面の手前で止まるか方向転換するのですが,パニック状態になった時はそれができないのではないでしょうか。


特にホンソメワケベラは,小さいながらも結構激しい動きをしますし,本気になって泳ぐ時はかなりのスピードを出すことができますが,案外臆病なところもあります。これが,ホンソメワケベラが所謂突然死を比較的起こしやすい理由だと考えていますが,皆さんはどのようにお考えでしょうか。

後,ホンソメワケベラの場合もう一つ原因が考えられます。この魚,実はクリーニングをうるさがられて,クリーニング対象の魚に攻撃を受け追われることがあるのです。この際に,発生場所や逃げた方向等の要因が悪い形で重なると,衝突事故を起こしてしまうのではないか,という仮説です。 

まあ,2.の変形版といったところですがホンソメワケベラの場合,私自身はこの考えが一番正しいのではないかと考えています。


いかなる理由であろうとも突然死などという死因不明の言葉で,飼育している魚の死を片付ける事を何度も経験したくは無いのですが,なかなか防ぐことが難しいため,私の飼育魚(特にベラ類)の死亡原因で比較的上位を占めてしまう現状を憂うるばかりです。







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