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海水魚飼育における雑談20



21.流動床濾過槽


私が使っている流動床濾過槽は海水魚関係の知人に作っていただいた物ですが,これまであまり詳しく書いてきませんでした。

というのも,私が作ったわけではないのでどんな素材を使ったとか,外観はどのくらいだとかしか書けないというのが実情です。ということで,少しでも流動床濾過槽を自作する方の参考になれば幸いです。



現在使用している物は前提条件として,今流行のビーズ状の濾材ではなく現在国内では入手困難な砂状濾材を使用するものです。この砂状濾材は,今でも海外の通販サイトでレインボー・フルダイズ用のものが単体でも購入可能なことは確かめています。

使用した素材は,まず本体として外径100mmのアクリルパイプ,底用にアクリル板か塩ビ排水用キャップ,上用に塩ビ掃除口(ツマミ式)の3点。アクリルパイプを設計した長さで切断し,これら3点を接着すれば本体はほぼ形になります。

ただもう一点加工が必要で,これはボール盤等の加工用機械が必要でしょう。接着後の塩ビ掃除口とアクリルパイプに穴あけ加工をして(上手く合わせられるなら,接着前に穴あけしても構いません),VP13用ユニオンソケットを差し込み接着します(取水側と排水側が対称の位置になるよう2か所加工します)。

取水側はユニオンソケットにVP13塩ビ管を差し込み中側でエルボを装着(これは接着する必要なし)しますが,エルボの下側がなるべくアクリルパイプの真ん中あたりに来るよう塩ビ管の長さを調節します。排水側は単純に水槽へと戻る配管に合わせて塩ビ管を差し込めば十分です。

次に上のエルボと繋ぐ塩ビ管の先には径違いソケットを付けますが,この径違いソケットに逆流防止弁を設置しなければなりません。この逆流防止弁に関しては,アイディアを出したのが私ではないので公開は控えさせていただきますが,要するに径違いソケットの大きい方に入るサイズで,ポンプを停めた際にきちんと小さい方の内側を塞いでくれる素材を探してきて用いています。

これを径違いソケットの大きい方に2か所穴をあけネジを通して落ちないようにするか,4か所穴をあけて太めの針金を十字になるように固定します。これで取水側のパーツは全て完成しましたので,各パーツの長さを調整しながら組み立て,必要な個所は接着するなどして作業終了です。



私が使っている流動床濾過槽のサイズですが,60×45×45cmOF水槽用はアクリルパイプの外径が100mmで全体の高さ(塩ビ掃除口のツマミは除く)は約47cm。

90×45×45cmOF水槽用はアクリルパイプの外径は同じ100mmですが,高さは約57cmと少し高くなっています。

これは単純に水槽台の高さに合わせて作業しやすい大きさにしたためで,今にして思えば60cm水槽用ももう少し高くした方が良かったかもしれません。ただ,それぞれの流動床濾過槽は,1台で各水槽システムの濾過槽として十分な能力を持っており,メンテナンスも楽々と満足できるものです。

デメリットとしては,どうしても砂状濾材は徐々に本水槽に流れ出ていきますから,定期的に(半年に1回ぐらい)塩ビ掃除口の蓋を開けて濾材を足してやらなければなりません。

その作業のためには,取水側,排水側両方にボールバルブを取り付けた方が蓋を開けた時に海水がこぼれなくて便利です。またポンプを停める時など,最低でも取水側のボールバルブを閉めておかないと濾材が逆流して,徐々にポンプ性能を低下させてしまうので注意が必要です。

流動床濾過槽内の流速は取水側のボールバルブを使って調節しますので,これを誤ると濾材が濾過槽外に流出してしまうことになります。ポンプ再稼働後はしばらく様子を見て,稼働再開後30分ぐらいしたら再度確認して流速を調整しましょう。これは,稼働直後は濾材の流動が少し悪い傾向があるため,時間経過後には少し流速が強すぎる結果になる事が多いからです。

参考までに,実際に私が使用しているものの画像を載せておきます。ガラケーで撮影したものなので,画像が不鮮明なのはご容赦ください。濾過槽本体がゴミ箱に入っているのは,上を開けた作業時にどうしても海水が漏れるのでそれを受けるためです。


  

まあ,今流行のビーズ状濾材を用いればこの辺りの問題点は大半が解決しそうですが,今度は排水溝の手前に何らかの濾材流出防止パーツを設置する必要が出てきます。以前,流動床濾過槽を作っていただいた知人に,近々ビーズ状濾材用の流動床濾過槽を作ってもらえそうなので,それを使って性能を試してみたいと思っています。







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