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海水魚飼育における雑談35



37.楽々管理の小型水槽を考える1


2016年最初の更新です。とりあえずシリーズものなので、1月中の更新速度はこれまで通りでしょう。

雑談5で書いたように、私が約34年前に海水魚飼育を始めたときの水槽は最も安価に入手可能な60cm規格水槽(60cm×29.5cm×36cm)でした。途中3年半程のブランクがありますが、それを始めとして90cm×45cm×45cm OF水槽(9年間)、110cm×45cm×45cm OF水槽(3年間)を経て、現在は120cm×60cm×50cm(17年間、8年目で1回交換)、90cm×45cm×45cm(2年間)、60cm×45cm×45cm(12.2年間、8.5年間+2.7年間)のOF水槽3本を稼働させています。

まだまだ飼いたい海水魚は多数いますが、これ以上水槽を増やすことは設置場所(スペースとコンセント数等)と管理面から難しいところです。万が一増やせるとしても、せいぜい60cm規格水槽1本といったところでしょう。

幸いにも我が家には、一度も水を入れたことの無いニッソーのNewスティングレイ60cm水槽(NS-106)と、専用の水槽台が部屋のオブジェとして置かれています。これは転居直前の17年ほど前に手に入れた物ですが、当時は120cmメイン水槽のみを維持しようと考えていたことと、サブタンクにするには水量が少なすぎて大きい魚が飼えないために今の家に移ってからは使用されず、その後もより水量の多い水槽をセットしたために結局置物となって今日まで残されていました。



ちょっと脱線しますが個人的には、60cm規格水槽はある程度活発に泳ぎ回る魚を対象とした海水魚混泳水槽として使用可能な最小サイズと考えています。無論それ以下の水槽(水量)でも海水魚を飼育することは可能ですが、ある程度の数と種類を混泳させようとした場合、長期飼育を考えるとかなり飼われる魚にとって厳しい環境だと思います。

ただ勘違いしないでいただきたいは、60cm規格水槽よりも小さな水槽において環境的に厳しい点は濾過能力よりもむしろ、チョウチョウウオやヤッコの幼魚等を飼った場合に容量(遊泳空間)不足で正常な成長が妨げられてしまうことにあるのです。

まあこのような成長阻害は、60cm規格水槽であっても豆チョウを1年以上飼育していると現れてしまいますが、最初からある程度成長した個体を飼う事で悪影響を緩和することが可能です。

ということでこれまでの経験を基に、多少お金をかけても管理が楽でそれなりに数を飼える規格60cm水槽のシステムを考えてみたいと思います。実際に設置するかどうかは別にして、こうして新しい水槽をどんなシステムで立ち上げるかを考える事は結構楽しいのです。



まずいつものように、水槽構築計画の基本であるその水槽で何を飼育するかを詰めなければなりません。現在稼働中の水槽コンセプトですが、120cmメイン水槽はキートドントプルス属(メレディティエンゼルかパソニファーエンゼル)をメインとして複数のヤッコを混泳させることでした。

一方90cm水槽は、キートドントプルス属のヤッコと共に、採集してきたチョウチョウウオを混泳させ大きくすることでした。どちらの水槽もキートドントプルス属のヤッコをメインとする事は同じで、混泳させる魚が違うだけです。

さらに60×45×45cm 検疫水槽の目的は、最初はhamacyanさんに作っていただいた流動フィルターの性能テストが主であり、金魚水槽並みの管理で海水魚飼育が可能か試験することでした。現在は当初の役目を終え(その成果を以て90cm水槽を立ち上げました)新着魚の検疫と育成用の水槽としていましたが、年末にメイン水槽でキヘリキンチャクダイがメレディティエンゼルより大きくなってしまったため、仕方がなくキヘリキンチャクダイを検疫水槽へ、入っていたホシゾラヤッコをメイン水槽へとコンバートしたため、キヘリキンチャクダイの飼育水槽になっています。

半年もすればメレディティエンゼルの方が再び大きくなるでしょうから、そうなったらキヘリキンチャクダイをメイン水槽に移して検疫水槽に戻ることでしょう。

既存水槽のコンセプトを見てわかるように、結局私はハード、ソフトを問わずサンゴ類の飼育には殆ど興味がないため、新しい水槽も海水魚のみを飼育する水槽という考えに落ち着きます。ということで新水槽のコンセプトは金魚飼育並みにメンテナンスが楽な60cm水槽で、スタイルは魚混泳となるのです。



本来の順番であれば、この後はどんな魚をメインで飼うのか決めるのですが、今回はその前にどのような濾過システムとするのかを検討しようと思います。

私は硝酸塩の除去に関して定期的(1ヶ月に1回、3割〜5割)な換水を行う事で十分だと考えていますので、小さな60cm規格水槽ですからとにかく生化学的濾過(硝化作用)能力を最大限に持っていくようなシステムにしなければなりません。まずは候補となる濾過システムのメリット、デメリットを振り返りましょう。


 

表:小型水槽における各フィルターのメリット、デメリット


外掛け式フィルターは、単独での使用ではA以上に濾過能力が低いため今回は考慮に入れていません。次回から@からFまでを順々に検証していきましょう。







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