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海水魚飼育における雑談34



36.流動濾過用濾材


2015年最後の更新です。

私が現在使用している流動濾過フィルターは,濾材が砂状のもので既に製品としては日本で売られていないタイプです。

この砂状濾材は過去,何社かが製品として交換濾材を売り出していました。私が使っているのはレインボーライフガード社(日本では現在ナプコが輸入総代理店のようです)の物と,レッドシー・ジャパン社のものです。



レインボーライフガード社のものは「BIOLOGICAL MEDIA FOR FLUIDIZED BED FILTER」という商品名で,濾材は1.35kg(内容量)でボトルの約3/4程まで入っています。この会社が出していた正規品(流動濾過フィルター)のFB-300はこれを1本丸々入れると説明書に書いてありますので,かなりの濾過能力を誇ります。

私の場合,流動濾過フィルターの高さはこの製品よりありますが,使用している濾材量は大体500〜600g程度だと思います。

この濾材量で私の場合,60×45×45cm と90×45×45cm のOF水槽をそれぞれ賄っている事を考えると,かつてこの製品の広告で1,100L(正確には300ガロン)まで対応というのを見たことがありますが強ち嘘ではないのかもしれません。

原料に関しては記載がなく,かつてシリコン製濾材と書いてある記事だか広告を見たことがありますが,実際は何なのか不明です。

個人的には内容量が多くて使いやすいので(1ボトルで家の2台の流動フィルターを賄えますから)気に入っていましたが,今では輸入総代理店にも在庫がないようで入手が非常に困難です。

私は幸いネットで色々と検索した結果,とあるショップの通販サイトで1ボトル,やはりとある卸問屋さんの広告から直接訪ねて最後の在庫2ボトルを入手できたので,これ以上流動フィルターを増やさなければこの後10年ぐらいは問題ないでしょう。またネットオークションを通じて,レインボーライフガード社の流動フィルター「FB-300」そのものも専用濾材付きで手に入れる事が出来ました。


    

左:ライフガードFB-300           右:FB-300と専用濾材


専用濾材のアップ




さてレッドシー・ジャパン社のものは「”MERLIN” MEDIA」という商品名で,1ボトル(これはレインボーライフガード社のものよりかなり小さいです)に300gの濾材が入っています。

こちらのものはボトルに「洗浄し篩過した珪酸を含まない石英濾材(Washed and graded, silicate free quartz media)」と書いてありますので,何製か悩む必要はありません。おそらく他の会社の濾材も石英かシリコンあたりだと思いますが,こればかりはメーカーに直接聞いてみないとわかりません。

説明書きではこの会社の製品(MERLIN)に1ボトルを入れろと書いてあるので,MERLINは通常300gの濾材を流動させるのでしょう。

濾材量を単純に比較すると,レインボーライフガード社のFB-300は約4倍の濾材量ということになります。単純に考えると,大体200Lぐらいの水量(120cm規格水槽)であればMERLIN一つで賄えるだけの濾過能力がありそうです。

私はレインボーライフガード社の交換濾材を探している時,とあるショップに2ボトル在庫があるというので予備用に入手しました。こちらの濾材は,レインボーライフガードの濾材よりやや細かいように思います。



この他にもトワコーポレーションのクイックサンド,カミハタのシーストーム,LSS研究所のサンドフィルターハングオン(濾材の商品名はクリスタルサンドメディア)等,いくつか同様の製品があったのですが,これらは現物を見たことが無いため濾材の原料もわかりません。

汚水処理の分野に目を向けるとアクアリウムへの転用が可能と考えられるものに,ネットで検索した限りでは株式会社クラレが開発したポリビニルアルコール含水ゲルや,関西ペイント株式会社が開発したポリエチレングリコール含水ゲルの担体があります。

ポリビニルアルコール含水ゲルはサイズ4mm,比重1.015,ポリエチレングリコール含水ゲルはサイズ4.2mm,比重1.025と,どちらも似たようなサイズと比重です。流動濾過用の担体(濾材)としては,この比重が流動性に重要なファクターとなることは明白です。ポリビニルアルコール含水ゲルは低比重飼育の際の海水,ポリエチレングリコール含水ゲルは25℃の海水の比重とほぼ同じですから,海水中での流動性には問題ないでしょう。

ポリビニルアルコール含水ゲルはアクアリウム業界で売られているかどうか知りませんが,ポリエチレングリコール含水ゲルは一般の人でも購入できます。まあ業務用の値段を調べてみると,随分高く売っているなと思いますが,小分け(小包装)売りは業者から見ると面倒くさいですから仕方がないのかもしれません。

ところでカミハタの出しているアクアバイオゲルは,原料名何なのでしょうかね。メーカの写真を見る限り,ポリビニルアルコールではなさそうですけど。



個人的には,当面必要な量の流動濾材を入手できたため一安心ですが,他にも昔の流動濾過フィルターを利用している方(実際,どのぐらいいるのでしょうか)はどうされているのか,知りたい気もします。

まあウエット濾過用のサンゴ砂やドライ濾過用のプラスチック濾材は現在も売られていますが,流動濾過用の砂状濾材だけは見事に廃版になってしまったのが残念なことに変わりはありません。

海外だとライフガード社の流動濾過フィルター用交換濾材はまだ売っているようです(2015/9/25時点で,海外のamazonで15個在庫と書いてありましたが、12/27時点では在庫はあるようですが残り1個のみのようです)。またフィルター本体も,FB-600とかFB-900といった同型でより大型の製品もあったようですが,現在ではフィルター,濾材共々ライフガード社で製造中止となっているようで現在の在庫が無くなれば入手不可能になるでしょう。







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