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海水魚飼育における雑談28



29.症例報告:海水魚の鰓部腫瘤について


私の各水槽は,それぞれ構築計画に基づいて飼育を行っていることは以前書いたと思います。今回,メインである120×60×50cm OF 水槽の基本である第5次水槽構築計画が破滅しました。

分かりやすく言えば,この計画のメインである5代目メレディティエンゼルが死亡してしまったため,破棄せざるを得なくなりました。

メレディティエンゼルの死亡原因は右側の最後尾鰓弁にできた腫瘤が原因ですが,海水魚雑誌では読んで知っていたものの私も初めての経験だったため,参考に症状と推移を残しておきます。



●発症

右鰓蓋がきちんと閉じられなくなったのを確認したのは,2015年6月21日。

●患部

右側最後尾の鰓弁下部に腫瘤が形成され,ゆっくりではあるが徐々に大きくなっていった。

●症状

一見すると,呼吸の際に右側の鰓蓋がきちんと閉じられないで,やや鰓の動きが早く大きい程度だが,腫瘤が邪魔なのか他に何かあるのかわからないが摂餌量が減少し,1か月後には完全絶食となった。

さらに半月後には泳ぎ回るのを止め飾りサンゴの陰に隠れてじっとしている事が多くなり,最終的には口の方まで腫れたようになって呼吸が速くなり横転。発症から約1カ月半で死亡した(死亡日2015年8月21日)。

●原因

全く不明であるが,強いて言えばニシキゴイ稚魚の鰓ミクソボルスに症状が近いようにも思われる。

●対処法

当初は外傷の化膿を疑ったが,抗菌剤であるグリーンFゴールドは発癌性があるため敢えて薬浴を行わなかった。腫瘤を確認してからは,外科的処置が不可能なため経過観察のみ。



8月20日は朝から完全に水槽の底で横になっていたのですが,帰宅した際に様子を見ていたら起き上がり泳いで顔の近くまでやって来てしばらくこちらを見詰めていました。

何となく最後の別れをしているような気になり,治してやれなくて済まないなどと話しかけていたら,やがて目の前で全身を見せるように数回行き来してまた飾りサンゴの陰に戻り横たわり,翌朝には死んでいました。

魚が対処しようのない病気に罹ってしまうと,飼い主としては何とも言えない悲しい気持ちになります。この5代目メレディティエンゼルは2年3ヶ月間飼育して,8.5cmの幼魚(最初は顔の部分も完全に黒色)から16cmの立派な雄成魚になったのでとても可愛がっていた魚でした。安らかに眠ってほしいものです。





30.第6次水槽構築計画


5代目メレディティエンゼルの飼育が順調だった今年の初め頃,昨年からオーストラリアの海水魚の流通量が激減したこともあり,もし状態の良いメレディティエンゼル幼魚を見かけたら次の世代用に手に入れようと考えていました。

なぜか昔から,オーストラリアの海水魚は日本の冬場は入ってこずにGW頃から秋にかけて輸入されていたので,6月ぐらいから探していたのです。7月に入って行きつけのショップでしっかりとした9.5cm程の幼魚を見つけたので,さっそく購入し60×45×45cm OFの検疫水槽に入れて育成を開始しました。



どうもその事がフラグだったのか,その後しばらくして5代目メレディティエンゼルが発症し,2ケ月の闘病生活を経て死亡し,メイン水槽は主役不在となってしまいました。

そこで検疫水槽で育成中の幼魚を主役としてメイン水槽に移さなければならなくなり,このまだ小さい6代目メレディティエンゼルを中心とした第6次水槽構築計画を立ち上げることにしました。

まずは6代目メレディティエンゼルより大きいチリメンヤッコを,スクリブルドエンゼルのいる90cm OF 水槽へ移動させ,ゲニカントゥス属を除いて6代目より大きなヤッコがいないようにします。

次に6代目を雄の成魚にするための当て馬(言い方は悪いですが)として,ほぼ同じ大きさのキヘリキンチャクダイを90cm水槽からメイン水槽に移しました。

これでメイン水槽のヤッコは,6代目とキヘリキンチャクダイ,ヒレナガヤッコの雌の3匹となり,メイン水槽の構築計画は修正完了です。下の画像は,第6次水槽構築計画のメインとなる6代目メレディティエンゼルと相棒のキヘリキンチャクダイです。


 

次に90cm水槽のホシゾラヤッコはチリメンヤッコより少し小さいので,大事を取って60cm検疫水槽に移動させました。これで我が家の水槽全体で,シャッフルが完了。しかし,各水槽の飾りサンゴを全部取っての作業は非常に面倒で,時間が掛かりました。

とにもかくにも,メイン水槽の6代目メレディティエンゼルを中心にしたヤッコの再配置が完了し,第6次水槽構築計画はスタートしました。できれば6〜7年間はこの第6次計画を継続したいと思いますので,今後も頑張って飼育していこうと思います。







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