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濾過とは




魚主体の濾過システム


これについては,古くから検証され現在はほぼ理論も道具も完成していると言える方法です。基本的には,多孔質の濾材に好気性の濾過バクテリア(ニトロソモナスやニトロバクター)を繁殖させ,ポンプなどを使ってこのバクテリアが付着する濾材に,酸素を含む海水を急速且つ強制的に接触させて硝化作用を行いますので,強制循環システムと言います。

従って大量のアンモニアを効率よく弱毒化でき,アンモニアの処理能力はベルリンシステムやモナコシステムとは比べ物になりません。魚を多く入れる水槽の濾過システムに最適であり,ショップの販売魚が泳ぐ大きな水槽の殆どがこの方式です。

ただし硝酸塩の生成量は多く,大部分は蓄積するので(ポンプとのバランス上,濾材を厚く敷いた場合,下層で嫌気的還元反応が若干は起こるとも言われますが,素人では難しいので考えない方が無難です)水換えによってこれを除去する必要があります。

この強制循環システム以外は,収容する魚の数を少なくしないとバランスが崩壊します。特にベルリンシステムはもともと造礁サンゴ(石サンゴ)を飼育するために考えられたシステムなので,魚を多く入れるようには最初からできていません。モナコシステムは一つの水槽内で好気作用と嫌気作用のバランスをとる必要がありますから,これも魚はあまり多く入れられません。

これは,写真等で欧州の海水魚水槽を見れば明らかです。これらのシステムを採用している場合,水槽の大きさに対して昔の日本での飼育スタイルでは考えられない程,魚の数は少ないのです。

強制循環システムの場合,硝化作用という意味では,適切な方法であれば水槽の立ち上げは1ヶ月半ほどで大丈夫です。しかし硝化作用が充分になっても,やはり水槽内における微生物群のバランスが安定するまでには,立ち上げから2〜3ヶ月ぐらいかかるようです。立ち上げから2〜3ヶ月間は、白点病などの一般的な寄生虫疾患や,通常はあまり発症しない細菌感染症と思われる症状(特に皮膚疾患)が起きやすい傾向にあります。また,ちょっとしたスレでも発赤してしまうことが多いのです。しかし昨今は,各種のバクテリア製剤が開発・販売されていますので,これらをうまく使用すれば立ち上げ期間を最大半分程度に短縮できます。

強制循環システムも,濾過槽のスタイルによっていくつかの種類に分かれます。順番に説明していきましょう。




ウエット濾過式

ドライ濾過式

流動濾過式





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