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海水魚飼育の今昔




2000年代


2000年代になると,さすがに新しい種が紹介されることは少なくなりましたが,それでもポツポツと初顔の魚が入って来ています。極めて少数でしたが,タイガーエンゼル,ブラックスポット・ピグミーエンゼルが輸入されたことは驚きでした。

個人的にはオーストラリアのバリナエ・エンゼルの元気な個体が,日本の水槽内で元気に泳ぐ姿を見てみたい気もしますが,レユニオンエンゼル共々望みは薄そうです。

一方,1990年代後半からハードコーラルやソフトコーラルを水槽で飼育しようとする人が多くなり,海外の情報を元にベルリンシステムやモナコシステムを取り入れ,試行錯誤する流れが起き始めます。この流れは当時出来上がったパソコン通信を通して,全国の興味を持つホビイスト間で情報が共有化,ディスカッションがなされ,これまでにない速さでシステムの完成に向けて動き出しました。

2000年代中頃までには,ソフトコーラルのみならず共生藻による光合成が必要なハードコーラルに対応したメタルハライドランプの導入,海水中のカルシウム減少を補うカルシウムリアクターや微量元素補充のための各種添加剤の発売によって,ハードコーラル+海水魚の飼育を目的とした日本式ベルリンシステムが確立された上に,ハードコーラルの水槽内成長はもはや当たり前で,いかにパステルカラーを引き出すかといった段階に至っています。

過去30年から見れば,とても速いスピードで海産無脊椎動物の水槽内飼育方法が確立されたと言えます。今では各種サンゴ類や海水魚を一つの水槽で一緒に飼う様式がすっかり主流となった海水魚飼育を見て,未だ海水魚のみを飼育対象としてシステムを組んでいる筆者は,何となく寂しさを感じてしまうのですが,これは単に歳を取っただけかもしれません。





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