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海水魚飼育の今昔




1990年代


1990年代になると,私個人ではアンモニア,亜硝酸テスターと並ぶ海水魚飼育の画期的商品であるバクテリア製剤が登場します。この商品の登場によって,これまで海水魚ショップに分けてもらうしかなかった種砂が不要になったのです。休眠状態の濾過バクテリアを導入することによって,これまでより簡便且つ迅速に新しい海水魚水槽を立ち上げることができるようになりました。そればかりか,濾過が不十分な水槽にバクテリア製剤を投与することによって,非常に簡単に濾過バクテリアを増やすことができるようになったのです。

また,濾過システムもドライ&ウエット方式のさらなる発展型であるドライ方式,汚水処理に使われていた理論に基づいた流動床濾過方式等,様々なバリエーションが開発され発売されました。水槽立上げとメンテナンスが格段に簡略化され,楽に海水魚水槽を維持できるようになったこの時点で,筆者としては海水魚飼育に関する理論も設備(器具)も完成されたと考えています。残る問題は,一部の魚種の長期飼育と体色維持のみと言っても過言ではありませんでした。

魚に目を転じてみれば,1990年代前半はナークエンゼル,ペパーミントエンゼルやディベリウスエンゼル等といった,ディープダイビングの成果として深場に生息するケントロピーゲ属の輸入が相次ぎ,アフリカンエンゼルやクリッパートンエンゼルもお目見えしています。この2種は,一昔前は生息地の地理的な問題で日本へのルート開拓が困難だと思われていたものですが,世界がそれだけ狭くなったということでしょうか。

もっとも1990年代後半はバブル経済が弾けたため,そうそう高価な魚が入ってくるという事もなくなってしまい,これらの魚達もコンスタントに輸入されるようにはなりませんでした。1990年代初めまでは当然,珍しい種類が多く入るマニアご用達といった位置づけのショップも何軒か存在し,ウインドウショッピングだけでも楽しい時代だったと言えるでしょう。





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